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  • 執筆者の写真davidueno777

脳は21日サイクルで更新する。

1980年代までは『脳は一生変わらない』、もしくは最近でも7年で新たになるとか言われていますが・・・


脳は実は早く変わります。


しかも21日で更新することが可能で、63日あればそれを習慣化できます。


いずれも7の倍数です。(7の倍数の秘密


これもMRIの進化に伴う最近の脳科学の発見です。


TEDにおいてもショーン・エイカー氏が大変ユニークなスピーチをしています。


「ポジティブ心理学」の原体験


ショーン・エイカー氏 妹が5歳で、私が7歳だった時、私たちは2段ベッドの上で遊んでいました。当時私は妹より2つ年上で、今もですが……。当時は何でも私が仕切っていて、戦争ごっこをすることになりました。2段ベッドの上で、片側にはG.I.ジョーの兵士と武器が、反対側には妹のマイリトルポニーが突撃に備えていました。あの日の午後起きたことに関しては見解の違いがあるのですが、今日は妹もこの場に居ないので、皆さんに真実を話させてください。(会場笑) 妹は少し不器用なところがあるので、兄が押しも何もしていないのにベッドの上から突然姿を消し床に落ちました。落ちた妹に何が起きたのか恐る恐る見てみると、四つん這いで痛々しく着地していました。私は不安になりました。可能な限り静かに危ないことはせずに妹と遊びなさいと、親に厳しく言われていたからです。特に一週間前に妹の腕を折ったばかりで……。(会場笑)  想像上の狙撃手から妹を守ろうと、勇敢にも押し飛ばしたんです。まだお礼は言われていませんが、必死で助けようとしたんです。(会場笑)彼女は何が起こったのかすらわかっていませんでした。私は出来る限りの最善の行動をとりました。下にいる彼女の顔を見ると、痛みと苦しみと驚きに泣き声を上げそうになっていました。冬の長い昼寝中の両親を、今にも叩き起こさんとしていました。大慌ての7歳児の頭で、私はこの悲劇を回避するために出来る唯一のことをしました。お子さんをお持ちならよく目にしたことでしょう。「エイミー、お願い泣かないで。どんな風に着地したかわかる? 人間はそんな風に四つん這いで着地なんかしないよ。これはつまりエイミー、お前はユニコーンだってことだよ!」(会場笑) 哀れな妹の小さな頭が葛藤しているのが見てとれました。今経験している痛みと苦しみと驚きのほうに身をゆだねるか、それとも新たに見出したユニコーンとしての自分を受け入れるか……。(会場笑) そして、後者が勝ちました。泣き出し、親に言いつけることで私に良くない結果を引き起こす代わりに、満面の笑みでベッドの上へ駆け上り、小さなユニコーンの優雅さを見せたのです。折れた足と共に……。(会場笑) 5歳、7歳というこの幼少時代に偶然体験したこの出来事の意味が、当時はわかりませんでしたが、これが20年後に人間の脳に関する発見の先駆けだったのです。私たちが体験したのは「ポジティブ心理学」と呼ばれるもので、私が今日ここにいる理由であり、私が毎朝起きる理由でもあります。



科学のいう「正常」は平均と同義


この研究について、教育の場以外の企業や学校等で話すようになった頃、講演をグラフで始めたりしたらいけないと言われたものです。しかし講演のはじめに私が1番見せたいのはグラフなんです。このグラフは一見退屈に見えますが、これこそ私がうきうきして毎朝目覚める理由なのです。



それにこのグラフは何の意味もありません。でっち上げたデータですから……。(会場笑) これが皆さんの調査データだったのなら、わくわくしたでしょう。非常にはっきりした傾向がみられます。だから論文誌にも掲載されるでしょうし、実際それが重要なすべてです。曲線から外れた変な点がある事実、変わった人が混じっているというのは、さっき見て誰だかわかっているので、問題ありません。皆さんお分かりでしょうが問題ないのです。単に削除すればいいのですから。削除できるのは明らかな測定誤差だからで、それが測定誤差である理由は、私のデータを台無しにしてしまうからです……。経済、統計、心理といった授業で何を最初に教えるのかというと、統計的に適切なやり方で異常値を抹消する方法です。洗練された曲線が得られるよう異常値を消すにはどうすれば良いか? もし私の見出そうとしているのが「平均的な人は鎮痛剤を何錠飲むべきか」という問いならそれは結構ですが、見出したいと思っているのが、潜在能力や幸福、生産性、エネルギー、創造性の秘密であるならこのやり方は科学の名による「平均教」崇拝です。「子供が教室で読み方を学ぶ早さ」について質問をしたなら、科学者は「平均的な子供が教室で読み方を学ぶ早さ」に言い換えます。そして、平均に合わせて教室を仕立てるのです。この曲線で平均より下になるようなら心理学者は色めき立つでしょう。それは抑うつ傾向にあるか障害を持っているということで、両方なら言うことありません。そう望むのは、精神医のビジネスモデルが、1つの問題を抱えて診療を受けに来た人に問題を10個抱えていると自覚させ、繰り返し通院させることだからです。必要なら幼少期にもさかのぼり、最終的には患者を正常に戻したいと思いますが、正常というのは単に平均的と言うに過ぎません。


異常値こそ積極的に研究すべき


ポジティブ心理学が指摘するのは、平均的に過ぎないものを研究していたら、平均的なものにしかなれないだろうということです。ポジティブな異常値を消してしまうのではなく、あのような分布を見たらむしろ、積極的になぜかと問うべきです。ある人達の能力はなぜ曲線の遥か上にあるのか? 知的能力、運動能力、音楽センス、創造性、エネルギーのレベル、困難に直面した時の反発力、ユーモアのセンス。それが何であれ、取り除いてしまうのではなく研究したいのです。そうすれば皆を平均まで引き上げるだけでなく、自分の会社や世界中の学校の平均自体を引き上げる方法だって分かるかもしれません。



このグラフが私にとって大切なのは、ニュースを見ているとポジティブではなくネガティブなものだからです。ニュースの多くは殺人や汚職、病気や自然災害といった話題です。そのため脳は、現実はネガティブなことばかりだと思い込みます。俗に言う「医学部症候群」を引き起こすのです。医学部に行った知人がいれば分かりますが、彼らは医学部で最初の年に、様々な症状や病気について読むうちにふと、どれも自分に当てはまると気づくのです。また別の話になりますが、私にはボボという義理の弟がいて、ボボはユニコーンのエイミーと結婚しました。イェールの医学部にいるボボから電話がかかってきて言うのです。「ショーン、僕はハンセン病みたいだ。」イェールでもきっと珍しいことでしょう。しかし私は哀れなボボをどう慰めたらいいのか分かりませんでした。何しろ先週ずっと思い悩んでいた更年期障害を克服したばかりだったんですから。(会場笑) これで分かるのは、必ずしも現実が私たちを形作るのではなく、脳が見るレンズによって現実を作るということです。そのレンズを変えれば自分の幸福を変えられるばかりでなく、あらゆる学習や仕事の結果を変えることも出来るのです。


ハーバード大学の学生が感じるストレス


私がハーバードに願書を出したのはやってみただけで、入れるとは思わず、経済的余裕もありませんでした。2週間後に軍の奨学金が取れて入学を許可されました。突然可能性のなかったことが現実になったのです。ハーバードに入ったとき、他の人も皆それを名誉に思い興奮していることだろうと思いました。周りが自分より頭のいい人ばかりでも、そこに居ること自体を幸せに感じるだろうと。しかし必ずしもそうではないことに気づきました。大学での4年の後、寮で他の学生達と8年過ごしましたが……、ハーバードに頼まれたんです。留年したんじゃありませんよ。(会場笑) 問題を抱えている学生のカウンセリングを頼まれたんです。その時に行った調査や指導で気づいたのは、ハーバードに入るという成功に始めは幸せを感じていても、2週間も経つと頭を占めているのはハーバードに居られるありがたみでも哲学や物理の勉強のことでもなく、競争、勉強の重荷、厄介な問題、ストレス、不満といったことなのです。ハーバードに入ったばかりの頃、生まれ育ったテキサス州の田舎町から遊びに来た友達と一緒に、1年生の食堂ホールに入りました。食堂を見回していた友達が言いました。

「この食堂ハリー・ポッターに出てくるホグワーツみたいだな。」映画のホグワーツとハーバードの食堂です。



それから友達は言いました。「ショーン、何でハーバードで幸福の研究なんてしているんだ? ハーバードの学生で居てどうして不幸に思えるのかわからないよ。」この質問には、幸福に関する科学を理解する鍵が隠れています。


幸福度の9割は脳の捉え方による


この質問は、人の幸福の度合いが、その人の周囲の環境を見て言い当てられると仮定しています。ですが、実際には周囲のことがすべてわかったとしてもその人の幸福について予想できるのは実際の10%くらいで、あとの90%は周囲の環境ではなく、脳が周囲の環境をどう処理するかにかかっているということです。そして私たちが、幸福と成功の法則を変えられれば、私たちが出来ることが変わり、現実を変えることも出来るのです。私たちの発見は、仕事での成功についてIQにより予測できるのは25%だけで、残りの75%は楽観の度合いや社会的サポート、ストレスを脅威ではなく挑戦と受け取る能力にかかっているのです。



ニューイングランドで最も格式高い学校の人と話した時、彼らは言いました。「それは分かっています。だから私たちは勉強を教えるだけでなく、健康週間を設けていますし、みんな楽しんでいますよ。世界的な専門家に話をしてもらうんです。月曜の夜は「青年期の憂鬱」。火曜は「学校での暴力といじめ」。水曜は「摂食障害」。木曜は「薬物乱用」。金曜の夜は「危険なセックス」にするか「幸福」にするかでまだ決めかねています。(会場笑)私は「金曜の夜はたいていの人がそうですよ。」と答えておきました(笑)。(会場拍手)皆さんが気に入ってくれて喜ばしいのですが、彼らはお気に召さなかったようです。電話でしばらく沈黙があり、「それは健康週間というより病気週間ですね。あらゆるネガティブなことを解説しながらポジティブな話はまるでしていません」と言われました。病気がないのが健康ではありません。健康になる為には幸福と成功の法則を反転させる必要があるのです。この3年間に私は45カ国を巡り学校や不況下の企業とともに取り組んできました。そこで、ほとんどの学校や企業で、成功の法則とは「一生懸命頑張れば成功できる。成功すればより幸せになれる。」と考えられていることに気づいたのです。これは多くの人の子育てやメネジメント法、動機付け方法の基礎になっています。これらの問題は科学的に間違っており逆だということです。


成功と幸福の関係性


成功する度に脳は、成功の定義を再設定します。良い成績を取ればもっと良い成績を取る。良い学校に入れば、さらに良い学校に入る。良い仕事に就いたらさらに良い仕事に。販売目標を達成したらさらに目標を上げる。幸せが成功の向こう側にあるのなら、脳はいつまでたどり着けません。私たちがしてきたのは、社会が一体となって幸せを認知できる範囲外に追いやるということです。それは私たちが「成功したら幸せになれる」と考えているからです。しかし私たちの脳はそれとは逆の順に働くのです。現状へのポジティブさの度合いを引き上げられれば、その人の脳は「幸福優位性」を発揮し始めます。つまりポジティブな脳は、ネガティブな脳やストレス下の脳よりもずっとよく機能するということです。知能が上がり創造性が高まり、活力が増大します。実際あらゆる仕事上の結果が、改善されることが分かりました。


ポジティブな状態の脳は、ネガティブな状態の脳より31%も生産性が高くなります。販売で37%成績が上がります。ネガティブやニュートラルでなくポジティブな時に、医者は19%速く正確に診断するようになります。これは法則を反転させられることを示しています。現状に対してポジティブになることさえ出来れば、脳はより熱心に速く知的に働き、その結果としてより成功するようになるのです。


21日間でポジティブになれる方法


幸福と成功の法則をひっくり返すことができれば、自分の脳に本当は何が出来るのか見えてきます。ポジティブなときに脳で増加するドーパミンには、2つの役割があります。幸福感を引き起こすだけでなく、あらゆる学習機能をオンにして、世界に対して違ったやり方で適応できるようにするのです。私たちは脳がよりポジティブになるよう訓練する方法を見つけました。たった2分間で出来ることを21日続けるだけで、脳の順路を新たにし、より楽観的でより成功するように脳が働くようになります。今ではどこの会社に行ってもこれを教えることにしています。



ありがたく思うことを毎日新たに3つ書くこと、これを21日間続けましょう。それを終える頃には、世の中はネガティブなものでなく、ポジティブなものをまず見つけようとする習慣が身につきます。過去24時間のポジティブな体験を日記につければ、脳がそれを追体験することになります。運動は行動が大切であることを脳に教えます。瞑想は、複数の仕事を同時にしようとして陥る文化的なADHDを克服して、手元にある1つの仕事に集中できるようにします。そして意識して親切な行動を心がけましょう。メールを開く度、支えてくれる誰かに称賛や感謝の気持ちのポジティブなメールを書くという人もいます。このような活動によって、体と同様に脳だってトレーニングできます。そして幸福と成功の法則を反転させ、ポジティブな波紋を広げるだけでなく、本当の革命を生み出すことが出来るのです。ありがとうございました。



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